営業力、指導力、観察力、原価意識
著者は、飲食店の経営コンサルタントとして活躍されている方です。
お好み焼き・鉄板焼きの超繁盛店を自ら経営もされていますが、
元は洋食系出身、和洋中すべての料理に深い知識・経験を持っておられます。
Y.W.C.には社員の独立支援制度をご用意しており、
実際に独立、自身で飲食店を経営している例も存在します。
この記事の筆者も元・飲食業出身ですが、
飲食店経営は、サービス・接客の最前線として機能する傍ら、
組織の運営、利益モデルの確立、社員育成など、
多くの技術・知識を必要とします。
ビジネスの基本要素が詰まっている飲食店経営について、
本書の興味深い点を要約してお伝えします。
売れないメニューをそのままにし、
材料費の無駄が膨らみ続けるズサンな経営では、店は衰退する。
割に合わない仕入れ材料は、思い切ってカットし、
「客を集め、ロス活用ができ、利益をもたらす」
3条件を備えた食材を「店の名物」に押し上げること
「メニューの整理」
「絞り込み」
「柱となるメニューに力を注ぐ」
という一連の作業は、
店の集客力と利益体質をともに向上させる
定番メニューから外した食材の中には、
季節によって客を引き付けるものがある。
こうした食材は、原価が高くなっても、
「集客のための販促メニュー」と位置付けて、季節ごとに仕入れる
自ら市場に足を運ぶこと。
市場は、食材の生きた知識を仕入れる場で、交渉術を磨く場。
しかし、業者にカモにされないために、
「頻繁に出入りする」
「小ぎれいな格好をしない」
「これが欲しいと公言しない」。
業者の方から近づいてくるまでになること
仕入れのポイントとして、
「市場の休み明けは価格が上がるので仕入しない」
「固定観念に縛られずにおいしいもの、安いものを仕入れる」
「産地の地元でも商品が都市部に流れ、高くなることもある」
も見落としてはいけない
ソース、スープ、ダシ汁などベースとなる味づくりは
「仕込むための人件費」
「膨大な光熱費」
「大変な量のゴミ処理費」
がかかり、店の生産性が落ちる。
レベルの向上が著しい業務用既成食材にひと味、ひと手間加えて、
おいしくすることもプロの仕事
仕込みの中には「食材カット」作業も含まれる。
カット野菜は、パックの仕方にも気が配られてきており、
仕入れるよりも保存がきく。
ロスが少なくなり、天候による値段の高騰も避けやすい。
カット野菜の情報を集めておくことは必要
何気ない卓上調味料も「ひと手間」加えたら、どこにもない味になる。
リピーターを増やすには、
「また食べたくなる旨味」であるニンニクを寝かして入れることも重要
女性客の「生臭い、厚くて食べにくい」、
高齢者の「脂っこいのは苦手」、
中年客の「暑くて食欲がない」
などのホンネの声に耳を傾け、
おいしいメニュー改造をするのもプロの仕事
その日の天候と肌で感じた気候をチェックし、
メニューの中身を細かく調整する。
定食メニューの「ご飯&汁物」は応用をきかせやすい。
「ちらしずし、まぜごはん、炊き込みごはん」
「冷うどん、温かいうどん、豚汁」など、
気温変化に対応する演出は効果がある
メニューに、
「すぐできる料理の明記」
「数量限定のフレーズ」
「盛り付けるだけの小鍋料理」
などを加えると、スピードアップができ、客の回転率も上がる。
特にビジネスマンが多い店のランチタイムには有効
客にもう一品を注文させるのは難しい。
その場合、メイン料理の分量と価格を抑えて、
もう一品注文させる試みが必要。
もう一品の人気を得やすいのは、産地限定の野菜・豆腐類
新規客を獲得するのに最適なのがテイクアウト。
初めての店に入るのに不安があっても、
テイクアウトなら気兼ねが少ない。
客心理を考えたら、店の外で買える仕組みが必要だが、
店を改造するのが難しい場合、
販促期間中だけテイクアウト用ワゴンを出してもいい。
単品値下げの販促は、
単品に注文が集中し、
労働力にバラツキを生み、
人件費に大きな無駄が生じる。
これを平均化するには、
複数のメニューを組み合わせた「セット販売」の発想が必要
客を呼ぶ店頭商品のメニューを目立つようにする。
それと同時に、店内で注文するメニュー表の左上に、
高単価で儲けやすいメニューが目立つようにすることも利益面で重要
固定ファンを増やすためには、
食事の最後に満足感のピークを持ってくること。
居酒屋なら締めの食事に力を注ぐ。
会計を終えた後も、
「お忘れ物はありませんか」
「段差がありますから足下にお気をつけて」など、
もうひと言を加えることが重要
客がこだわり始めてきているのが
「居心地のよさ」。
「多人数でゆっくりと語らえる」客席があることが繁盛の条件。
広い厨房スペースと更衣室や休憩室、
空席の多いカウンターを見直し、
座敷や小上がり席に活用したい
トイレや厨房は店の奥になくてもいい。
レジを済ませている途中やその後にトイレに寄る人が多い。
また、厨房が入口から離れているとテイクアウトに不便。
料理の香りを往来に流すこともできない
店の前に「ひさし」を設けたがらない店舗デザイナーがいるが、
客の行動パターンを考えていない。
雨の日に、店のメニュー表を立ち止まって見る客も激減するし、
テイクアウトコーナーも傘をさして並ぶことになる
営業力、指導力、観察力、原価意識のある指揮官が1人いれば、
あとは普通であっていい。
不器用な「ダメキャラ」が一種のクッション役になって、
ギスギスした雰囲気を和らげてくれることもある
紹介した他にも、業種・地域別の販促方法、店舗リニューアル方法、
衛生管理法、従業員の教育管理方法、クレーム防止法など、
多くの経験に裏打ちされたノウハウが、この本は掲載されています。
一貫して大事にされているテーマとして、
徹底して現実的・効率的な採算モデルの構築
商品需要や食材供給に対しての洞察力の深さ
その根底に常に流れる「お客様への配慮」
個人的にこの3要素が印象に残り、
日々の営業活動・企業経営両面に活きる視点だと感じました。
弊社では学歴・職歴に拘らず、
「成長したい」
「稼ぎたい」
「自分で事業を作りたい」
そんな想いを持った人を常に探しています。
「Y.W.C.についてもっと知りたい」
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人材営業部 神保
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